【ニューヨーク時事】米大リーグのメッツと5年契約を結んだ千賀滉大投手(29)が19日、ニューヨークの本拠地シティ・フィールドで記者会見に臨み、「米国でやりたいとずっと思っていた。現実になってすごく幸せ」と喜びを語った。背番号は34に決まった。
千賀はソフトバンクから海外フリーエージェント(FA)権を行使。プロ野球の育成選手出身で初の大リーグ移籍を果たした。球団公式サイトなどによると総額7500万ドル(約102億円)の契約。先発ローテーションの一角として期待されており、「経験豊富なベテラン投手がいる。後れを取らないよう一生懸命ついていく」と話した。
長年の夢をかなえる場所は、今年6季ぶりにプレーオフに進出し、さらなる躍進をにらむメッツに決まった。今オフ、積極的な補強を展開するエプラー・ゼネラルマネジャー(GM)は「彼は優勝の経験が豊富。勝つために何が必要か知っている」。勝利を求めるチームの姿勢を強調した。
来季の先発陣は、ともにサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)3度のバーランダーとシャーザーがローテーションの中心。ベテラン2人に次ぐ役割を見込まれる千賀は「いろんな話を聞き、学ぶ気持ちでここに来た」。今季メッツで「3番手」の位置付けだったバシットは15勝9敗。1年目の千賀への期待も大きい。
武器とするフォークボールは米メディアにも「ゴースト(お化け)フォーク」と注目されたが、大リーグでの効果は未知数。地元放送局は「先発投手が速球とスプリットだけでメジャーの打者を抑えることは難しい。変化球を強化する必要がある」とも指摘する。
新導入のピッチクロック(投球間の時間制限)や中4日の登板間隔など対応が必要な要素は多いが、「僕にはまだ先があると思っている。レベルアップするためにこの球団を選んだ」。千賀らしい強い思いを口にした。