駒大苫小牧高校野球部が13日、同部グラウンドなどで歴代の卒業生を招いた交流戦を行った。1~3年生の現役部員との一戦は、5―3で昨年に続きOBチームに軍配。今回は女子野球部も初参加し、40代中心の「壮年OBチーム」に7―6でサヨナラ勝ちするなど盛り上がりを見せた。
2004年、05年の夏の甲子園連覇はもちろん、数多くの卒業生が大学、社会人、プロの舞台で活躍する駒大苫。「駒沢とはどんなチームなのかを知ってもらうきっかけに」(佐々木孝介監督)と21年から実施し、今年は3月に卒業した大学1年生から1期生まで40人以上が母校に集結。年代別2チームに分かれて後輩たちと真剣勝負を繰り広げた。
男子部員と10~20代の選手で固めたOBチームとの一戦は、OBが主導権を握った。二回、1死満塁で同部のメンタルトレーナーを務める遠藤哲也さん(05年卒)が先制タイムリー。2者連続の押し出しを挟んで、代打川口海生(東北福祉大4年)が適時打を放ち大量4点を奪った。
対する現役は途中登板したエース大森幌(2年)が好投も、頼みの打線はU23日本代表で世界一に貢献した工藤稜太(信越硬式野球クラブ)をはじめ福田翔大(北洋大3年)、綿路翔英(東海大札幌キャンパス2年)ら歴代のエース投手を攻略できなかった。
夏まで主将を担った幅岸里友生(3年)は「勝つ気満々で挑んだが、自分たちにはないうまさがあった」と悔しがる。「こんなにたくさんのOBの方々が駆け付けてくださる駒沢のつながり、伝統をすごく感じた。きょうのことを忘れず、自分も次の進路に向けて頑張りたい」
プロ野球日本ハムの伊藤大海と同期で、交流戦に初参加した北海道ガス所属の安田大将(24)は「高校時代の記憶がよみがえった」と笑顔。後輩たちに「もっと上のレベルがあることを、自分たちの姿を見て知ってもらえたら」と期待した。
初参加の女子野球部は5点先行からOBチームに本塁打攻勢で一時逆転されたが、最終七回裏に押し出しで劇的なサヨナラ勝ち。「OBチームには私たちにはない一体感があった。自分たちもそうなりたい」と言うのは鍋島穂乃花(2年)。同部1期生の3年生は来春に卒業を控える。「来年は先輩たちと試合ができたら楽しそう」と夢を膨らませた。
熱戦を見守ったOB会の天野雅明会長(75)は「楽しく、けがなくできて良かった」と喜ぶ。試合後は新型コロナウイルス感染症に留意しながら参加者全員で昼食を取り、交流のひとときを過ごした。「この交流戦が駒沢の新たな伝統行事になれば」と語った。