少年野球の苫小牧スポーツ少年団野球専門部会が12日、北洋大で設立50周年を記念した講演会を開いた。学童野球やリトルリーグを20年指導し、神奈川県内で塾講師を務める傍ら全国で講演活動、本の出版などを手掛ける年中夢球(本名・本間一平)さん、北海道独立リーグの石狩レッドフェニックスでトレーナーを務める理学療法士の高岡広一さんが来苫。東胆振の少年野球選手、保護者、指導者ら約160人に専門分野から心技体向上のヒントを伝えた。
苫小牧市内各地区に点在していた少年野球チームをまとめる組織として1973年に発足した苫小牧少年野球協会に端を発する同部会。50年目の節目を迎えた現在は苫小牧、白老の17チームが登録している。
年中夢を追い掛けて野球をやってほしい―との願いを込めたペンネームで活動している年中夢球さん。「よくSNSで相談をもらうが、年中無球さん、中年夢球さんと間違われることがある」と笑いを誘うオープニングトークで来場者のハートをつかんだ。
2部に分けて講演し、選手を主眼に置いた回では、野球に対する心構えなどを紹介。練習や試合前に行うグラウンド内でのあいさつを例に「誰かの顔を必ず思い浮かべてから、よろしくお願いしますと言ってほしい」と形式的ではなく、常に心を込める大切さを説いた。
「自分から進んでやるのは素振り(すぶり)。人に言われてやるのは素振り(そぶり)」など巧みな言い回しで選手たちの心に訴え掛けた他、歴代の教え子たちとのエピソードも披露しながら、終始笑顔の絶えない講演を展開した。
一方の高岡さんは自身も高校まで野球に励み「今の立場になって、もっと早く知っていれば」と後悔することが多くあったとし、体の仕組みやけが防止のこつを伝授。体を開いてスイングしバットが遠回りする通称「ドアスイング」について、プロ野球ヤクルトで今季3冠王に輝いた村上宗隆の画像や、自身が指導する運動サロンに通う小学生選手の動画を基に「左右の腰骨(腸骨)と恥骨を結んだ三角形を投手に見せないように振るといい」などと説明した。
また、「オフシーズンこそ自分の体を知る大切な時期。体の感覚を頭でしっかり考えて理解しよう」と話し、股関節周辺のストレッチ方法などを紹介。「1日1分でもやれば体は変わる。周りと差をつけられるように頑張ってほしい」とエールを送った。