白老町の虎杖小学校(関東英政校長、児童数34人)で12日、開校120周年記念式典が開かれた。児童や教職員、学校運営を支えてきた地域住民が出席。明治から令和まで五つの時代を地域と共に歩み、多くの卒業生を送り出した歴史を振り返り、節目を祝った。
PTAを中心とした同校開校120周年記念事業協賛会(広地紀彰会長)が主催した。学校と地域が同校の発展に寄与した先人の努力をしのび、関係者の苦労に感謝しながら、120年の歩みと重みをかみしめ、未来につなぐのが目的。
主催者あいさつで広地会長は「地域唯一の学校である虎杖小は、地域の象徴であり、集いとまちづくりの中核でもある」と同校が地域で担う役割を語った。
来賓の戸田安彦町長は、同校出身では初めてプロ野球選手となった北海道日本ハムファイターズの根本悠楓投手を話題にし「選手2年目の今年、自ら目標としていた3勝を達成し、チームの勝利に貢献した。小さな頃からの夢の実現に向かって努力を積み重ねた根本選手の活躍に拍手を送る」と述べ、「皆さんも途中で夢を諦めず、自分を信じてそれぞれの夢に向かってまい進を」と児童らにエールを送った。
関東校長は「これからも子どもたちが笑顔で学ぶ学校として歴史を積み上げていきたい」とあいさつし、児童を代表して6年生の本多萌衣(めい)さん(11)が「皆さんと一緒に歩んできた虎杖小を大切にしていきます」と決意を語った。
虎杖小は1902(明治35)年、敷生村クッタリウス番外地(現白老町虎杖浜)に「敷生簡易教育所」が設置されたのが始まり。以後「虎杖尋常小学校」「虎杖国民学校」などと名称を変え、47(昭和22)年に現在の校名になった。
輩出した児童数は教育所時代26人、尋常小学校時代768人、国民学校時代245人。虎杖小としては今年3月時点で2506人に上り、合わせて3545人が卒業した。同校は地域の特色を生かし、地元の漁協と連携した体験活動や前浜のごみ拾い、虎杖浜地区に伝わる伝統芸能「越後踊り」を学ぶ授業などを展開している。
同協賛会では記念誌を100部発行し、関係者に配布したほか、希望者に1冊1000円で販売している。残部僅少。問い合わせは同校 電話0144(87)2009。