白老町の地域おこし協力隊員=観光振興担当=の安田裕太郎さん(27)が10月31日までに、巨大なフキの植物標本を完成させた。高さ2メートル余り、葉の幅が1メートルほどある大きなもので、釧路市音別地域で採集した。同隊員の野田和規さん(25)=森林ガイド=と共に町竹浦で運営している野草民泊「観森(みもり)」で展示している。
フキは、高さ2~3メートルになり、茎の直径約10センチを超えるものがあるほど大きくなるのが特徴。みずみずしいので食用に活用され、音別の特産品になっている。
2021年5月に地域おこし協力隊員となった熊本市出身の安田さんは、巨大なフキの存在を今年5月に知った。白老町民にはあまり知られていないことを知り、標本にして見てもらおうと計画。現地で採取すると、6月から8月にかけて自宅の一部屋を使い、押し花を作る要領で標本作りを手掛けた。
知人の宮大工村上智彦さん(44)=恵庭市=に依頼し、高さ250センチ、幅150センチの額縁を用意。台紙には、フキの表皮を使って音別で生産されている和紙「富貴紙(ふきがみ)」を使用して額装した。近づいて見ると、フキの繊維が透けて見える。
安田さんは「フキの葉脈が地図のような広がりに見え、興味深い」と魅力を語る。多くの町民に紹介していきたい考えで、移動展示の相談にも応じるという(輸送費は依頼者が負担)。また、「今後も巨大な植物標本制作に挑戦したい」と意欲を見せている。
安田さんは野草民泊を運営する傍ら、野田さんと樹木から精油を作るワークショップやポロト湖周辺の自然ガイドをしており、問い合わせは観森 メールアドレス(info@nodateyasou.life)。