林業の魅力に触れる 厚真高生 現場体験バスツアー

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  • 2022年10月25日

 胆振総合振興局、胆振地域林業担い手確保推進協議会は21日、厚真高校の1年生を対象に「林業現場体験バスツアー」を行った。生徒たちは2018年9月に発生した胆振東部地震で被災した厚真町内の民有林や苫小牧市内の製材工場、国有林を見学し、林業に理解を深めた。

 林業労働者の高齢化や、胆振東部地震で山腹崩壊した森林の復旧について管内の高校生に伝え、林業に興味、関心を持ってもらうことが目的。苫小牧広域森林組合などが協力している。

 一行は、4年前の震災で被災した厚真町桜丘の植栽地を見たほか、苫小牧市あけのぼ町の製材業ヨシダの製材工場を訪問。現場で吉田良弘社長から、木の循環や需要の高まりについて説明を受け、木材が機械ラインで加工されていく様子などを見て回った。

 この後、市丸山の国有林に移動し、特殊な重機を使って大きな木を切り倒すデモンストレーションを見学。のこぎりを使って枝打ちにも挑戦し、林業の一端に触れた。

 山本穂乃香さん(15)は「枝を切るのが楽しかった。普通なら見られないことや、できないことができてよかった」と関心を示した様子。加藤迅さん(16)は「昔はのこぎりで切っていたが、今は重機を使っていて技術の進歩を感じた一方、機械を使っているとはいえ大変な仕事だと思った」と林業従事者に尊敬のまなざしを向け、「大きな森が少なくなっているので増やして未来につなげてほしい」と話した。

 同振興局によると、高校生を対象にした同体験バスツアーの実施は4年目。取り組みを通じて今年度、管内の高校を卒業した1人が林業関係の仕事に就いたほか、今後の進路で同業種への就職や専門学校への進学を希望する生徒が出てきているという。産業振興部林務課の高田淳主幹は「林業に興味を持ち、魅力を知ってもらうことで職業選択の一つとしてくれたら」と話していた。

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