胆振総合振興局が主催する「震災復興祈念さくら植樹会~あの日を忘れない~」が22日、4年前の胆振東部地震で19人が犠牲になるなど大きな被害があった厚真町吉野地区の土砂崩れ現場で開かれた。振興局と町の関係者、町民を合わせ約40人が参加し、復興への思いを込めてサクラの苗木を手植えした。
震災の復興を促し、記憶の風化を防ぐための企画。アサヒビールから受けた寄付金を活用してエゾヤマザクラの苗木30本を用意した。
植樹に先立ち、同振興局の谷内浩史局長は「森林の再生は息の長い活動になる。かつての豊かな森林に思いをはせながら継続して取り組んでいきたい」とあいさつ。宮坂尚市朗町長は「皆さま方には、震災後の光景と忘れがたい豊かな森林が重なると思う。一日一日、自然と向き合いながら努力を続けていく」と決意を新たにした。
参加者は傾斜の緩やかな場所に苗木を一本一本丁寧に植えていき、エゾシカによる被害を防ぐカバーをかぶせた。町本郷の久保参生さん(69)は「一緒に参加した孫娘が大きくなった時、ここで災害があったこと、植樹をしたことを思い出してくれたら意義があるのでは」と話していた。