厚真町の厚南中学校(石崎和昌校長)の1年生は12日、社会科の一環で土器について学ぶ特別授業を行った。町教育委員会の乾哲也学芸員を講師に迎え、縄文時代や町内で見つかっている土器などの話から歴史への理解を深めた。6月下旬の体験授業で着手したオリジナル縄文土器作りでの作品も町教委が完成させ、生徒たちに届けた。
乾学芸員は縄文時代について、「最も忙しくなるのは狩りの獲物が見つけやすい冬。春は山菜、秋はドングリや木の実を取っていた」と解説。また、平安時代の貴族が使っていたとされるおわんが町内で見つかっているエピソードや、愛知県常滑産の中世陶器第2期(1150~1174年)とされるつぼが道内で初めて宇隆地区で出土したことなどを説明し、「厚真町で数多く見つかっている史実をきっかけに社会、歴史を楽しんでほしい」と呼び掛けた。
1年生が手掛けたオリジナルの縄文土器は、町教委が管理して2カ月ほど乾燥させた後、9月中旬に焼き上げて完成させた。矢部太朗さん(13)は「水をちゃんと付けなければいけないなど(土器作りは)難しかったが、うまくできていた」と喜び、「厚真町でたくさん土器が見つかっているのはすごい」と感心していた。