厚真町を拠点にする空手道場「最強塾」の塾長、幅田洋司さん(44)が、今月上旬に東和薬品RACTABドーム(大阪府立門真スポーツセンター)で開かれた第2回JKJO全日本シニア空手道選手権大会に初参戦し、優勝を飾った。チャンピオントロフィーを手に「うれしいのもあるけれど、道場生のみんなに『優勝してくる』と言っていたので、ホッとしていますね」と胸をなでおろした。
全国から集った実力者によるフルコンタクトカラテ日本一を決める最高峰のオープン大会。年代、階級別のトーナメント戦で幅田さんが出場した男子シニア40―47歳軽量級(70キロ未満)は25人が競った。
大会を通じて体のキレが良く、「抑えているつもりでも、それ以上に体がよく動いていたので体力の消耗が激しかった。でも、普段高校生を相手にしているので、手足を止めずにいけたのがよかった」と勝因を語る。1回戦から決勝までの5試合全て優勢勝ち。決勝では、前回優勝の相手に左上段前蹴りを決めて技ありを奪った。
全試合いずれも有効打や積極性などで相手を上回り、5人の審査員全員から支持を得る圧倒的な内容だったが、「楽な試合は一つもなかった」と言う。攻撃を受けた痕が体に残っているのを見て「対戦した相手はみんな黒帯。特に準決勝は、一発一発の攻撃がものすごく痛かった」と激戦を振り返った。
現在は、東胆振の1市3町の園児から50代まで30人ほどいる道場生を指導する立場。今回の大会出場について、「タイトルが欲しかったのではなく、一番は自分の頑張る姿を見せることで、子どもたちに刺激を受けてほしかったから」と語る。今後は自らも連覇を目指しつつ、「教え子たちがただ『すごいな』ではなく、『僕たちも頑張ればできる』と思ってくれたら。多分これから変わってくれると思う」と期待を寄せた。