鵡川アイヌ文化伝承保存会(新田増美会長)が主催するシシャモの豊漁を祈る「シシャモ・カムイノミ」が9日、むかわ町汐見の鵡川河口左岸・ムレトイの丘で3年ぶりに開かれた。
鵡川アイヌ民族が神々からの贈り物に感謝し、豊漁を祈願する古来からの儀式。同保存会ではカムイノミを不定期で執り行っていた。1992年からはむかわアイヌ協会の協力支援を受けて毎年10月に開催するようになり、今年で31回目。昨年、一昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止していた。
この日は、関係者ら約50人が参加。アイヌ文化の神々に祈りをささげ、先祖供養などを行った。終了後は宮戸地区のイモッペ生活館に移動して交流会を開き、新田会長は「これからも伝統ある儀式が、本町の誇るアイヌの儀式として受け継がれるよう努力していく」と話していた。
この後、苫小牧アイヌ文化保存会や白老民族芸能保存会が古式舞踊の歌などを披露。参加者にはシシャモ汁などが振る舞われた。