白老町東町の社会福祉法人白老宏友会の多機能型事業所ポプリに町内から通所する丸山明美さん(51)の塗り絵作品が、北海道知的障がい福祉協会主催の芸術祭「みんなあーと2022」で大賞、同協会会長賞に次ぐ道共同募金会会長賞に輝いた。芸術祭での上位入賞は同事業所では初めてで、祝福ムードに包まれている。
芸術祭は道内在住の知的障害児者の芸術活動を推進し、広く啓発するために開かれている。コロナ禍を背景に今回は3年ぶりに開催され、20回の節目を迎えた。
「芸術(アート)の力、燃える心」というテーマに、全道から水彩画、陶芸、書道、刺しゅうなど300作品が出品され、約50作品の入賞作品が選ばれた。
丸山さんの塗り絵は、約80センチ×60センチの大きさ。ゾウの絵柄の塗り絵を赤や黄、青の色鉛筆でカラフルに彩った。隣に同系色を塗らずにめりはりをつけたり、塗り残しのないよう隅々まで丁寧に塗り進めたりし、3週間ほどかけて仕上げたという。
受賞の吉報に丸山さんは「うれしかった。これからも塗り絵を続け、切り絵などの新しいことにも挑戦してみたい」と話している。
同事業所では機能訓練の一環で、通所者が塗り絵などに取り組む時間を設けている。同芸術祭には10年以上前から、通所者の塗り絵や切り絵を出品しており、3位に相当する受賞は初めて。杉本誠力支援課長は「細かい部分にも気を配って塗る繊細さ、集中して取り組む姿勢が受賞につながったのでは」と話している。
丸山さんの作品は9月中旬、他の入賞作品と共に札幌市の道立道民活動センター・かでる展示ホールに掲示された。白老でも、28日から30日まで白老コミュニティセンターで開かれる第57回町文化祭の会場に展示される予定だ。