悩み抱え込まないで 追分中で人権啓発講演会  安平

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2022年10月7日

 安平町の追分中学校(渡辺知峰校長)で4日、人権啓発講演会が開かれた。子どもの頃に貧困や虐待に苦しみながらも乗り越え、現在はそういう状況の子どもたちをサポートしている20代の2人がパネリストとして来校。幼少期から今に至るまでの話を全校生徒に語った。

 2人は、奈良県の認定NPO法人おてらおやつクラブで事務局員を務める深堀麻菜香さん(24)=札幌市在住=と二本松一将さん(28)=同=。

 ワーカーズコープ北海道の子どもの貧困対策ネットワーク事業担当でもある深堀さんは、中学時代は貧困で住む家も無くした話に言及。高校2年生の時に本州で参加したキャンプを通じ、「自分が貧困の当事者だと初めて知った」と明かした。キャンプでは東日本大震災の被災者や10年ほど引きこもりになっていた人たちと話し、「つらさは人と比べるものでなく、自分がそう思ったらつらいんだ」と実感したことを伝えた。「悩みを一人で抱え込まず、誰かに話してみては。先生、友人、家族に言いにくければ、スクールカウンセラーや地域の人、知り合いでもいい」と呼び掛け、電話や無料通信アプリ「LINE(ライン)」などの専用相談窓口も紹介した。

 子ども食堂の立ち上げや運営相談などを行っている二本松さんは、自身が幼少期から精神疾患のある母親の暴力を受けていたことや、高校時代に両親の離婚で拒食症、不登校になったエピソードを語った。友人が「学校に行こう」と自宅まで迎えに来てくれたりしたことなどで少しずつ乗り越えたと伝え、怒りの感情に対処する「アンガーマネジメント」や「自分にとって心地よいことや場所を見つけて」と助言した。

 同講演会は、道の委託事業として町や東いぶり人権啓発ネットワーク協議会、札幌法務局苫小牧支局、苫小牧人権擁護委員協議会が共催した。

こんな記事も読まれています

ニュースカレンダー

紙面ビューアー