地域おこし協力隊インターンシップ 受け入れ本格化 活動した学生から好評  安平

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  • 2022年10月3日

 安平町や地元の団体、NPO法人でつくる「あびら移住暮らし推進協議会」は今秋から、地域おこし協力隊の学生インターンシップ(職業体験)に力を入れている。9月には同制度を利用し、道内外の大学生2人を受け入れた。インターンシップ生として約1カ月間、町内で活動した学生からは「今後も安平町と関わりを持ち続けたい」という声が寄せられている。

 同制度は、地域おこし協力隊の活動を体験するインターン制度として総務省が昨年度新たに創設した取り組み。都市部の学生を2週間~3カ月間受け入れ、将来、再来町してもらうことにつなげる狙いがある。

 安平町は9月上旬、同制度を活用して東京大学教育学部4年の三輪千恵さん(23)と北海道大学工学部4年の田中亮輔さん(21)を受け入れた。2人は追分地区のコミュニティースペース「ENTRANCE」(エントランス)を活動拠点に、遊育や探究学習を通じた学びや挑戦につなげる町独自の社会教育事業「あびら教育プラン」のスタッフサポートとして活動。同スペースを学習の場として利用する主に小中学生のさまざまなチャレンジに伴走した。

 これまでの活動を振り返る報告会が9月29日にエントランスで開かれ、三輪さんは「物事に対して新しい見方をすることができるようになった。ここでの経験が、これから大きな意味を持つのでは」と振り返り、今後について「また遊びに来たいし、エントランスや安平町の行方も見ていきたい」と思いを語った。

 田中さんは「子どもたちの楽しむ姿や葛藤しながら好きなことをやり抜く大人たちを見て、生きる原動力を感じた」と感動を伝え、「今後のキャリアで自分にできることを安平町に還元したいし、(職業体験の)流れを後輩たちにつなげていく役割を果たせたら」と希望を話した。

 受け入れを担当したあびら教育プラン推進員の早川大輝さん(27)は「僕らでは行き届いていなかった部分の改善につながった」と目を細め、「オンラインでイベントに参加してもらったり、リンクや広報をシェア(共有)したりするなど、今後も安平町にいた証しを残してくれることを期待する。緩く、長く、関わりを持ってもらえたら」と期待した。

 町によると、10月も3人の学生インターンを迎え入れる方向で調整中。今後も同協議会と連携し、積極的に同制度を活用するほか、来年度以降は地元のNPO法人や他団体の活動に受け皿となるための整備を働き掛けていく。

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