国松希根太さん個展 地形を表現した大作など 彫刻家 11月6日まで ― 飛生アートコミュニティー  白老

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2022年9月27日

 白老町内にアトリエを構える彫刻家、国松希根太さん(45)の個展「地景を刻む」が、町竹浦520の飛生アートコミュニティー(旧飛生小学校)で開かれている。飛生での個展は2014年以来で、校舎全体を会場としたのは初めて。日頃から自身が見ている風景の地形を表現した木彫の大作など計30作品を、11月6日までの土、日、祝日に披露している。

 主催は、旧飛生小をアトリエとする若手芸術家たちのグループ「飛生アートコミュニティー」。

 飛生は国松さんにとって、かつて彫刻家の父明日香さんがアトリエとし、自身も幼少の一時期を過ごしたゆかりある地。同グループでは代表を務め、02年秋に白老町に移住。旧飛生小を拠点に創作活動に打ち込み続け、今年で20年の節目を迎える。

 ただ、本展は20年の回顧ではなく、自分が普段見ている風景から着想を得て表現した新作を、創作現場で見てもらおうと企画した。旧校舎の体育館、教室、廊下のほか、敷地内の旧教員住宅を会場に、彫刻やインスタレーション、記録映像などを紹介している。

 体育館には大型彫刻などを展示。カツラ材を使い長さ2・5メートル、幅1メートルのトンネル状の形にした「ワームホール」などがある。一つ一つが独立した作品ながら、空間全体で捉えると広がりのある一つの作品となっている。制作過程で出たのみやチェーンソーの操作音を再構成してBGMとして流し、作品が生まれる様子を聴覚で伝わるようにもしている。

 教室には、森や浜のフィールドワークを通して得られた直感を基に、山や岩に見立てて制作した高さ40センチほどのカツラ材やシナ材の木彫や平面芸術を並べている。この中には貝の粉を材料にした塗料を塗り、表面を雪のように白くしたものもある。

 国松さんは「土地から何を得て作品にしているのかを感じてほしいし、鑑賞者自身の記憶とも重ねながらアートを体感してほしい」と話している。

 期間中はトークや校舎外のフィールドワークを予定している。午前11時~午後4時。観覧無料。

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