JR室蘭本線の開通130周年を記念して24日、昭和の時代に活躍した国鉄色気動車が旭川―室蘭駅間(237キロ)を往復する長距離列車のツアーイベントが行われた。安平町の追分駅では、歴史を刻んだ列車の雄姿を見ようと、鉄道ファンらが駆け付けたほか、町職員やあびら観光協会スタッフが乗客をおもてなしした。
乗客約80人を乗せた往路の列車は、午前8時すぎに旭川駅を出発し、同10時30分ごろ追分駅のホームに到着。古くから鉄道ファンにおなじみの全面赤色車両の「赤電車」と、赤とベージュのツートンカラー車両の2両編成が駅のホームにお目見えすると、法被を着た町職員や観光協会スタッフ、鉄道ファンらがお出迎え。約40分間の停車を利用してお菓子やポストカード、地酒を販売するブースを構えてもてなした。
駅に降りた乗客は、駅舎や懐かしい車両を背景に記念撮影をするなどして思い思いに楽しんでいた。小樽市の高校2年の佐々木羽琉さん(16)は「この日に合わせて旭川の親戚の家に泊まって参加した。駅での(土産品)販売や古い車両、ヘッドマークなどレアなものばかりで楽しい」と話していた。復路の列車も午後6時40分から約50分停車した。
イベントは、1892年8月に室蘭―岩見沢間が開通したことで、空知の炭鉱地帯から室蘭港までが鉄道で結ばれ、今年130年を迎えたことを記念して企画された。鉄道ファンにかつて人気を集めた「キハ40」を使用し、旭川から岩見沢、追分などの各駅を経由して室蘭駅までの片道237キロ、往復474キロを走破した。