白老町の秋の一大祭典「第32回しらおいチェプ祭」(同祭実行委員会主催)が25日、白老港近くの汐音ひろば(町石山)で開かれた。3年ぶりの開催で、会場は秋サケの味覚とアイヌ文化の魅力を堪能しようと町内外から訪れた延べ約2000人でにぎわった。
チェプ祭は、アイヌ民族が神の魚(カムイチェプ)として大切にするサケの遡上(そじょう)を祝う行事として定着し、地元のアイヌ民族の人々が中心となってイベントをつくり上げている。
会場では、サケを使ったアイヌ民族の伝統料理「チェプオハウ」(サケ汁)、「チマチェプ」(サケの串焼き)が振る舞われた。古式舞踊やアイヌ民族にルーツを持つ2人組「ペナンペパナンペ」のお笑いステージも披露され、来場者はアイヌ文化に触れながらイベントを楽しんだ。
札幌市や苫小牧市に住む孫らと5人で来場した町末広町の中村礼子さん(62)は「秋晴れの下、盛り上がった中で充実した時間を過ごした。オハウがおいしくて2杯もお代わりした」と満面の笑みを浮かべた。