安平町の追分小学校(花田啓光校長)のグラウンドで14日、全校児童による鼓笛演奏発表会が開かれた。鼓笛演奏は本来、4年生以上で行っていたが、教育活動の見直しにより今年度で最後となるため、3年生以下も交えた全校児童で取り組んだ。「最後の合奏!最高の感動を…。」をスローガンに、児童約100人が力いっぱいのパフォーマンスを届けた。
鼓笛演奏発表会は50年以上にわたって続けてきた伝統行事。新型コロナウイルス感染症の影響で昨年、一昨年は中止しており、現在の在校生にとっては最初で最後の舞台となった。
児童は、おそろいの白い帽子や法被を身に着けて登場。穏やかな秋の日差しの中、校歌や地域でおなじみの追分ふれあい音頭を歌や踊りを交えながら披露し、「アフリカンシンフォニー」も演奏した。会場には保護者や最後の演奏と聞きつけた地域住民が大勢駆け付け、温かい拍手を送った。
同校で鼓笛演奏が始まった頃のメンバーだったという卒業生の小笠原愛子さん(67)は、「当時は子どもが多く、鼓笛メンバーを選抜していた時代。4年生で選ばれてから鼓笛漬けだった」と懐かしみ、児童の演奏に「いつもよりリズム感があってすごくよかった。感無量です」と感慨深げに語った。
児童でつくる実行委員会の代表山田聖鈴奈さん(12)=6年=は「最初で最後の演奏。緊張したけれど、みんなの気持ちが一つになっていたようで楽しくできた。(鼓笛演奏)なくなるのは寂しいが、(観客が)こんなに来てくれると思っていなかったので、うれしかった」と笑顔を見せた。