名古屋外国語大学(愛知県日進市)世界共生学部の2~3年生7人は2日、白老町本町の白老コミュニティセンターで、「商店街の飲食サービスなどに学割を設けては」など同町のまちづくりについて学生ならではの視点で提案した。町職員や商業者、町民ら約30人が聞き入った。
同学部が2019年から毎年白老で行っている世界共生学科「地域創生科目」の実地授業。学生が町に滞在して町の魅力や特徴、地域創生の可能性を探る学術的フィールドワークを行い、調査成果報告会を開いて考察内容や提案を町民に発表している。
今年は地田徹朗准教授が引率する学生らは8月24日から9月3日まで、「大町商店街」を中心に町内各地を3グループに分かれて視察した。
それぞれ、アイヌ文様の刺しゅう講座などに参加したり、夜の居酒屋などをはしごして食の面から町民文化に迫ったり、地道な散策と観察で地域のつながりを見いだそうとした。
報告会の開催は3年ぶりで、各グループが町民の人なつこさや壮大な自然の魅力、アイヌ文化が息づくまちの特性などを紹介した。
また、「アイヌ文様の看板を生かしたスタンプラリーを実施しては」「まちなかに学生が勉強できるフリースペースを」「商店街マップを駅前に設置するとよいのでは」などと提案した。
その後は報告を聞いた町民らと懇親し、まちの魅力をさらに発見しようと努めた。
地田准教授は「多文化共生や地域創生の取り組みについて白老町から学ぶことは多い。来年以降も学生のフィールドワークを通してまちの魅力を発掘し、地域の皆さんにとっても気付きにつながる学びのスタイルを目指したい」と話していた。