アヨロ鼻灯台に LED光線 大黒さんの作品 「光の矢を放つ」

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  • 2022年8月27日

 2016年に灯台としての役割を終え、現在は白老町が管理するアヨロ鼻灯台(町虎杖浜)に26日午後7時ごろ、再び光が入った。27日開幕の芸術祭「ルーツ&アーツしらおい―白老文化芸術共創」の一環で、札幌大谷大学音楽学科教授でサウンド・メディアアーティストの大黒淳一さん(48)が作品「光の矢を放つ」の試験点灯をしたもので、夕闇に発光ダイオード(LED)の光線が放たれた。

 大黒さんは作曲家でもあり、音を使った作品を国内外で発表している。16年に札幌で作品を発表した際、白老町の芸術祭主催者から参加依頼を受け、今年3月から準備を進めてきた。

 作品はアイヌの伝承「大鹿を射抜いた3本の矢」に基づいて繰り広げるフルカラーレーザー光のショー。灯台の頭頂部に自身が手掛けた高出力LEDの発光装置を置き、9月24日までの土日曜日と祝日、午後7時から約20分間、展開する。

 試験点灯を終えた大黒さんは「町内に宿泊し、町の皆さんと交流しながら制作してきた。作品が地域を元気づけるものになればうれしい」と笑顔を見せた。

 灯台はコンクリート造り、高さ13メートルの建造物。1976年12月から2016年10月までの約40年間、室蘭海上保安部の管理で16秒ごとに赤と白の光を発光させ、25キロ先まで到達させていた。芸術祭によって再び光が入り、立ち会ったアヨロ鼻灯台周辺保存会会長の吉良哲子さん(65)は「会員一同喜んでいる。9月には会員で点灯した灯台の写生会をしたい」と静かに語った。

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