交流と絆を次世代に 歴史 姉妹都市 仙台市交流団が来町  白老

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  • 2022年8月22日

 白老町と歴史姉妹都市提携を結ぶ仙台市から、市長と市議会による交流団が20、21両日、同町を訪れ、仙台藩白老元陣屋資料館など同市ゆかりの地を巡った。交流団の訪問は昨年の同都市提携40周年を記念したもので、来訪は郡(こおり)和子仙台市長の念願だったという。

 両市町の関係は、江戸幕府がロシアの南下政策に脅威を感じて東北諸藩に蝦夷地警備を命令し、仙台藩が活動拠点となる「元陣屋」を白老に築いた1856年に始まる。歴史姉妹都市提携を1981年5月に結び、スポーツ、教育、文化などの場面で活発な交流を重ねている。

 仙台から来町したのは郡市長、赤間次彦議長、野田譲市議、髙橋卓誠市議ほか職員ら計8人。一行は初日に町役場を訪れ、戸田安彦町長らと公式会談した。戸田町長は「白老と仙台の重要な節目を共に迎えられた。今後も交流を通して絆を深めていきたい」と歓迎。郡市長も「交流を活性化させ、一歩も二歩も絆を深めたい」と意欲を示した。

 翌21日は、仙台藩白老元陣屋資料館で両市町の歴史的な関わりを武永真館長の解説で学んだ。白老で命を落とした仙台藩関係者が眠る藩士墓地(町緑町)も訪れて線香を手向け、静かに手を合わせて祖霊を供養した。

 郡市長は「白老町の皆さんが古くから仙台のために心を砕いてこられたことに感謝する。コロナ禍が続き、来訪が1年遅れたが、交流を確固たるものとし、(両市町の)絆を一層強くしていきたい」と述べた。赤間議長は「今回の交流も歴史に刻まれる。互いに交流と絆を深め、太くして、次世代につなぎたい」と力を込めた。

 交流団は、このほか民族共生象徴空間(ウポポイ、町若草町)の国立アイヌ民族博物館も見学し、これまでのアイヌの歴史にも理解を深めた。

 町は、10月に観光PRなどで職員を仙台市に派遣する予定だ。

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