巨大地震と津波を想定した厚真町総合防災訓練(実動訓練)が7日、上厚真小学校をメイン会場に行われた。家族連れなど町民42世帯80人が実際に避難を体験。段ボールベッドや簡易トイレの設置といった避難所運営や、地震や津波から身を守るための防災講話を聞くなどして、万が一の際に役立つ知識や技術を身に付けた。
訓練は、午前9時に日高沖で強い揺れが起きたことにより、町内で震度6強の地震が発生し、大津波警報が発令された―と想定。町職員約70人が受け付けや指示、誘導、地域の防災マスター10人ほどがサポート対応に当たった。また消防や警察、自衛隊、町と災害協定を結ぶ関係団体、企業などが参加した。
参加者は徒歩や車、厚南会館から発車したバスに乗って避難所へ到着。入り口で受け付けを済ませた後、体育館で感染症対策やプライバシーを考慮した段ボールベッドの組み立てやプライベートテントの設営、簡易トイレの設置などを体験した。
家族で参加した上厚真小4年の石掛洋君(9)は「組み立てや(敷居の)壁をつくるのは難しかったが、楽しくできた。みんなでやっていい経験になった」と振り返る。厚和地区在住の曽根正勝さん(69)は「訓練は何回かやっているが、知らないことがあったのでよかった。段ボールベッド作りも経験できたし、簡易トイレもあれば便利」と話していた。
このほか、胆振東部地震からの復旧・復興の歩みを紹介した写真・パネル、新聞を校内に掲示。屋外では自衛隊、消防車両の展示や救命救助や電気自動車、災害時に活用するドローンのデモンストレーションもあり、昼食には炊き出しによるカレーライスなどが振る舞われた。