第104回全国高校野球選手権大会南北海道大会は20日、札幌円山球場で準々決勝3試合が行われた。室蘭支部代表の苫小牧中央は打線が11安打と好調、6―4で北照に競り勝ち、25日の札幌大谷との準決勝へ駒を進めた。
▽準々決勝
北 照
000101020―4
20010111X―6
苫小牧中央
(北)中鉢、上川―谷口魁
(苫)斉藤優―上野
?西浦2(北)
?谷口塁(北)佐々木(苫)
苫小牧中央は初回に上野、佐々木の適時打で2点を先制。六回からは毎回追加点を重ねるなど、試合の主導権を北照に渡さなかった。連投のエース斉藤は10安打を許すも要所をしのいだ。
札幌日大
000000100―1
00000020X―2
知 内
(札)宮武―久保田
(知)坂本―中田
?前川(札)坂本(知)
?坂本(知)
札幌大谷
20214010―19
0000000 ―0
北 海
(七回コールド)
(札)森谷、鳴海―佐々木
(北)熊谷、長内―井尻
?天野(札)
?丸山、鳴海(札)
?佐々木、飯田、濱野、樹神、鳴海、海藤(札)
― エース斉藤 獅子奮迅の活躍
エース斉藤が昨日に続き完投。連投の疲労を吹き飛ばす力投でチームを準決勝に導いた。「甘いボールも多かったけど、みんなに助けられて勝つことができた。連投で投げ切ったことは今後の自信につながる」と笑顔を見せた。
北照3番の西浦(3年)に2打席連続の本塁打を許した。公式戦では初めての被弾。「悔しかったけど、ここで気持ちを切らしてはいけない。集中しろと自分に言い聞かせた」。四回、六回の対戦はともに直球で勝負した。「強打者の時こそ真っすぐで押したいというこだわりがある」と胸を張った。
打撃では六回、左方向への適時打を放った。「打撃でも集中して取り組まないと投球に影響するぞ」。渡邊監督のアドバイスを胸に振り抜いた一打だった。
「このチームでまだ野球ができることに感謝して謙虚な姿勢で戦いたい」と冷静に準決勝に向かう。
― “全員野球” 選手たたえる
苫中央の全員野球だった。「一人ひとりが活躍した結果が出た」と渡邊監督は目を細めた。
2試合連続で主戦の斉藤優(3年)をマウンドへ送った。北照の強力打線を抑え「疲れもあって調子はよくなかったが、よく投げ切った」。
三塁手としてスタメン出場を果たしてきた倉橋(3年)や控えの西村(同)が新型コロナウイルスで欠場の中、三塁を死守した前田(2年)や四回に適時打を放った一塁手の高橋(同)など、攻守で野手の好プレーも光った。「それぞれが自分の役割を果たし、斉藤を助けていた」と、円山で躍動したナインをたたえた。
25日の準決勝には倉橋、西村がチームに合流する。「これで2人を迎え入れることができる」。甲子園まであと二つ。4日間の休養では「勢いがある中で選手らのメンタル面をサポートし、体のケアをしっかり行って挑みたい」と準決勝を見据えた。