厚真町の厚南中学校(石崎和昌校長)の1年生13人が29日、社会科授業の一環で、縄文土器作りを体験した。粘土を使って成形に挑戦し、縄文文化に理解を深めた。
歴史の授業で土器や石器に興味を示す生徒が多かったことがきっかけとなり、「実際に土器作りを体験させてみよう」と同校が町教育委員会に打診。町教委の出前授業で、学校に出向いたのは初めて。
町教委の乾哲也学芸員と奈良智法学芸員が講師を務め、生徒は器の土台になる底や粘土を輪にして重ねていく「輪積み」の方法で茶わん状の土器作りを体験。焼いた時に割れないよう、つなぎ目や割れ目を水を使って滑らかにし、串などで表面に縄や貝殻の文様を付け、それぞれオリジナル土器を成形した。
今後は1カ月~1カ月半乾燥させて焼き上げ、9月ごろに完成する見通し。真野光さん(12)は「裂け目を直すのが難しかったが、十分うまくできたと思う。完成が楽しみ」と期待。乾学芸員は「縄文人は自分の爪や指も文様に生かしていた」と言い、土器作りを通して「歴史の授業の復習にもなれば」と話していた。