還暦野球の苫小牧シニア倶楽部が、4~6日に釧路市などで開かれた第22回北海道還暦軟式野球選手権大会で前人未到の5連覇を達成した。道内39チームが挑んだトーナメント戦で全試合2桁得点・安打、計75得点の驚異的な攻撃力を発揮。1999年に始まった道内最高峰の舞台に、新たな金字塔を打ち立てた。
来年の全日本選手権切符を懸けた道還暦軟式野球連盟主催の一戦。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりに開催された。苫シニア倶楽部は2016年の18回大会初優勝を皮切りに王座を守り続け、前回19年の21回大会制覇で札幌スターズ(07~10年)に並ぶ4連覇を決めていた。
今大会、初戦から猛打全開だった。2回戦の深川クラブ戦は1番田中幸(61)、4番澤田義文(65)が共に本塁打2本。7番池田克哉(60)にも本塁打が飛び出し19安打17得点で五回コールド発進した。3回戦では先に黄金時代を築いた札幌スターズを二回以降の集中打で突き放した。
渡辺徹代表(73)が「最大のヤマ場」と踏んでいたのが準々決勝。予想通り札幌迷球会と激突、相手は社会人野球の元NTT北海道で今季加入の小林満が先発投手だった。初回に2点を先制するも、二回に守備の乱れから一挙5点を返された。
「焦りはなかった」と捕手の渡辺臣章監督(69)。自慢の打線が三回から再びつながり、五回まで毎回得点で逆転勝ち。準決勝以降も猛打がさえ、道北勢を相次ぎ下した。今年5月の札幌勢との練習試合では1敗1分け。2試合でわずか3得点だった打線が見事に本番でよみがえった。
投手陣は4連覇を支えた左投げの鉄腕谷澤康則(73)はもちろん、今季新加入の石塚精一(59)、決勝で完封勝ちした荒川登(67)が各試合で躍動した。
「5連覇に向かって、みんなの気持ちを一つにして戦えた。コロナ禍に加入した連覇を知らない代も、われわれの意志をくんで頑張ってくれた」と渡辺臣監督は喜ぶ。
チームは社会人野球の王子製紙苫小牧出身者や軟式野球の苫小牧市役所クラブで2度の国民体育大会優勝に貢献した選手がそろう。次は4度目の挑戦となる10月の全日本選手権(茨城県)に照準を合わせる。道南リーグや本拠地苫小牧市開催の北日本大会(7月29日~8月1日)、道選抜大会(9月)といった出場予定大会が目白押し。渡辺徹代表は「気持ちを切り替えて道内では負けなし、全国で上位を目指せるように頑張っていきたい」と語った。
▽決勝
苫小牧シニア倶楽部
316835―26
000000―0
旭川布袋クラブ
(六回時間切れ)
(苫)荒川―渡辺臣
(旭)久保、稲木―石川
?澤田(苫)
?澤田、中村、田中(苫)
?澤田(苫)
▽準決勝
苫小牧シニア倶楽部
13015―10
20000―2
士別倶楽部ジョーカーズ
(五回コールド)
(苫)石塚―渡辺臣
(士)紺野―村上
?林(苫)
?濱口、千葉(苫)
▽準々決勝
札幌迷球会
0500000―5
204310X―10
苫小牧シニア倶楽部
(迷)小林満―土居
(苫)谷澤―渡辺臣
?澤田2(苫)
?池田(苫)
▽3回戦
札幌スターズ
010022 ―5
021243x―12
苫小牧シニア倶楽部
(六回コールド)
(ス)三和、松下―船木
(苫)荒川、石塚―渡辺臣
?池田2(苫)
?石井(ス)渡辺臣、田中、千葉(苫)
?杉中(ス)
▽2回戦
苫小牧シニア倶楽部
31841―17
10100―2
深川クラブ
(五回コールド)
(苫)荒川、石塚、谷澤―渡辺臣
(深)山本、曽我部―岡本
?田中2、澤田2、池田(苫)
?池田、荒川(苫)