厚真町とJAグループ北海道は10日、胆振東部地震で被災した町内幌内地区の町有林で震災復興を祈願した植樹会を実施した。町やJAグループの関係者ら約30人が参加。カラマツの苗220本を植栽し、復興、農業振興への思いを新たにした。
町内では2018年9月の地震で3000ヘクタールを超える土砂崩れが発生し、町は植林事業などを通じて復旧復興の真っただ中。今回の植樹会は、町と持続可能な社会を目指して復興支援と社会貢献に活動するJAグループ北海道が開催した。
植樹に先立って行われた開会式で、宮坂尚市朗町長は「今後の厚真町の復興を足掛かりにして未来を切り開いていくことが、先人の願いでもある。木を植えながら復興を願いたい」とあいさつ。北海道農業協同組合中央会の小野寺俊幸代表理事会長は「山と川と海は1本でつながっている。持続可能な農業を続けるためには山の再生が必要」と結束を呼び掛けた。
参加者はスコップで土を掘り起こし、カラマツを1本1本、丁寧に植栽。JAグループ北海道スペシャルサポーターの若林聖子さん、川原悟さん、桃野慎也さんも駆け付け、作業に汗を流した。
植樹後、一行は胆振東部地震で犠牲となった37人の名前を刻み、町内京町のつたえり公園内に設置された慰霊碑の前で献花。美里地区にある導水管工事の現場や上野地区の農作物集出荷貯蔵施設の見学なども視察して回り、復旧状況をその目で確かめた。