厚真町は、新町地区にある木質バイオマス発電機の隣接地にイチゴの生産、育苗を行うハウスを建設する。町は設定した条件に従って企画を提案してもらうプロポーザル方式で建設事業者の公募を行い、今年度中に施設を完成、来年度の稼働を目指す。エネルギー地産地消事業として2億1000万円を計上した2022年度一般会計補正予算案を9日に開かれた町議会臨時会に提出し、原案通り可決された。
町によると、イチゴハウスの規模は生産施設1100平方メートル、育苗施設180平方メートル程度。「総合型自動環境制御システム」を導入し、天窓の開閉や水やりなど温湿度の管理をはじめ、日照や液肥濃度の制御を自動で行う。これにより、労働時間の短縮を図る「スマート農業」につなげ、安定した品質と収量を目指す。
補正予算には、イチゴハウスの建設に掛かる工事請負費として約2億750万円、木質バイオマスボイラーを施設で稼働させるチップの製造委託料として約190万円を計上。これらの事業費には、国のデジタル田園都市国家構想推進交付金や新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を合わせて約1億8000万円を充て、残りの部分はエネルギー地産地消事業基金の繰入金で賄う。
町はエネルギー地産地消による「ゼロカーボン」と農業を掛け合わせた6次産業化を目指す。また、イチゴの生産農場を確立させることで雇用も確保し、「ゆくゆくは観光農園としての役割にも結び付けていきたい」(産業経済課)と話している。