明治~昭和時代に白老駅前で販売されていた和菓子「雁月」(がんづき)と「泡雪」(あわゆき)をテーマにしたCD発売記念公演が6日、白老町本町のしらおい創造空間「蔵」で開かれ、町民ら約40人が演奏やトークに耳を傾けた。
公演では、俳優の小林なるみさんが1950年代を想定した架空のラジオ局「白老放送局」のディスクジョッキーになり、公開生放送するという設定でトークと演奏を披露した。
トークは、雁月と泡雪をテーマとした朗読劇やオリジナル歌曲の誕生秘話の紹介で、大きな拍手が起きた。
演奏は、CDに収録された歌曲でも参加している馬頭琴奏者の嵯峨治彦さん、5弦カンテレ奏者の嵯峨孝子さん、アコーディオン奏者のタテヤマユキさんとギタリストの扇柳トールさんによるユニット「ロケット姉妹」が担当。優しい音色を響かせた。
公演を主催した札幌市在住の森嶋拓さん(42)は「公演を通して元気だった頃の白老を想像してもらえたらうれしい」、脚本などを担当した後志管内蘭越町の劇作家渡辺たけしさん(50)は「たくさんの方に白老の歴史の一端を紹介できたのでは」と語った。
雁月と泡雪を創作した村上商店の故村上米治氏のひ孫で公演を鑑賞した村上和義さん(81)は「思い出を音楽で味わえるようにしてもらい、関係者に感謝しかない。皆さんが幻の銘菓を伝説にしてくれた」と感激の涙を拭った。
友人2人で訪れた北海道教育大学岩見沢校4年の龍口桂さん(21)は「お菓子を作った人の思いも乗せて音楽や物語で復元したのが興味深かった」と感慨深げだった。