4月28日に行われた改選後初の安平町議会臨時会で、5代目議長に就任した多田政拓氏(74)=無所属=。大役を務めるに当たり、胆振東部地震の震災復興やまちづくり、議会運営への思いなどを聞いた。
―新議長に就任した感想を。
議長に推薦された際、副議長は若い人にやってもらいたいという条件で受けた。今後を考えた時に(成り手不足など)このままでは大変だと感じた。体はまだ元気なので、これまでに培った経験を次に伝えていきたい。
―議長選で12人中11人の支持を受けた。
僕の思いを理解してくれて承認してくれたのだと思う。合併からこれまで4人の議長がそれぞれ積み重ねてきた議会運営をより良いものにしていかなければいけない。これから震災復興後のまちづくりが本格的に始まる中で、議会としても行政と同じ思いで進めていきたい。
―目指しているまちづくりについて。
前議長も町長もこの4年間、震災やコロナ禍の対応でやりたいことができずにいながらも、復興を第一に考えて取り組んできたことに敬意を表する。その土台に立って仕事をすることができるので、大変だなんて言っていられない。復興後の安心安全なまちづくりが基盤になる。秋には早来中学校も再建し、子どもたちの学校と生活環境をより良くしていくために努力していきたい。
また、高齢者の生活環境の改善も忘れてはならない。施設はある程度整っているが、自宅で暮らす高齢者の生活水準維持も考えていかなければならない。買い物や通院などに利用するデマンドバスなど、町は公共交通を整備しているが、期待したほどの実績の数字が出ていないと聞く。行政システムがうまく利用されるよう改善を図っていきたい。
―町議会についてどう考えているか。
震災やコロナ禍もあって、議員がまちに出て町民と懇談する機会を失っていた。まちなかに出て行って、町民と話し合いの場を持っていかなければならない。この4年間は、道内外での研修もできていない。先進地視察などもできないようであれば、議員のレベルは上がっていかない。僕が任期中に何とか実現したい。
議会に関しては、議員同士が話し合える形をつくるのが目標。担当課の協力を得て総務、経済常任委員会の活動を今まで以上に活発化させていきたい。
ただ・まさひろ 旧早来町(現安平町早来)出身。旧早来町議・旧追分町と合併して誕生した安平町の町議を合わせて8回当選。