明治期の白老で生まれ、長く人々に愛されながらも1960年ごろに姿を消した和菓子「雁月」(がんづき)と「泡雪」(あわゆき)をテーマにしたCDの発売を記念し、トークと演奏の公演が6日午後7時から、白老町本町1のしらおい創造空間「蔵」で開かれる。二つの銘菓が人気を集めた昭和時代の雰囲気などを楽しめる舞台となる。
雁月は小麦粉を原料に会津産クルミを混ぜた板かまぼこ型の菓子。泡雪は粗くひいたもち米の中にあんを入れ、表面を白と黄色の2種類に着色した丸型の菓子。
明治時代に白老駅(現JR白老駅)近くにあった村上商店の創業者村上米治氏が1890年代に製造を始めた。駅のホームや駅前で立ち売りして人気を集めたが、販売は1960年で打ち切られた。2009年に町や地元の商店街関係者によって復元され、19年9月には飛生芸術祭の一環で銘菓の歴史を紹介する音楽朗読劇を上演している。
CDは飛生芸術祭のディレクターの1人、森嶋拓さん=札幌市在住=が300枚製作し、6日に発売する。出演は19年の音楽朗読劇で演奏した馬頭琴奏者の嵯峨治彦さんと5弦カンテレ奏者の嵯峨孝子さん、俳優の小林なるみさんら。小林さんが幻のディスクジョッキーとなり、軽快なトークを挟みながら馬頭琴などの演奏5曲を紹介する。税込み2200円。
6日の公演は北海道コンテンポラリーダンス普及委員会主催。CDに出演した3人やゲストミュージシャンが、雁月、泡雪にちなむトークを挟みながらCDに収録された楽曲を演奏。銘菓が人気を集めた昭和時代の世界観や白老の雰囲気をトークと演奏で伝える。CDを製作し、記念公演にも関わる森嶋さんは「雁月と泡雪が販売されていた時代にタイムスリップしてもらいたい」と呼び掛けている。
入場料は高校生以下が無料で、学生1000円、一般2000円。事前予約が必要で、定員に達した場合、当日券は販売しない。公演は7日午後7時半から、札幌市の札幌市民交流プラザ内でも開かれる。問い合わせは森嶋さん 携帯電話080(5591)0098。