厚真、むかわの両町は、道が昨年7月に示した津波浸水予測図で浸水範囲が広がったことなどを受け、ハザードマップ(災害予測図)を改訂した。いずれも日本海溝と千島海溝を震源とするマグニチュード9クラスの巨大地震が太平洋沿岸で発生した場合を想定した津波ハザードマップのほか、洪水や胆振東部地震で発生した土砂災害も踏まえた内容。両町では住民に配布して周知するほか、必要に応じて説明の場も設ける考えだ。
厚真町では、地震や津波などあらゆる自然災害を想定した総合防災マップ(B5判、33ページ)を5年ぶりに刷新した。
新たな土砂災害警戒区域、津波災害警戒区域の指定を受けて全面的に見直し。近隣のむかわ町の情報も反映させた上厚真、厚真地区の市街地と広域に関して記した洪水・土砂災害ハザードマップ、さらに津波や地震への備えとなる津波ハザードマップなどをセットにした内容。避難行動ガイド、過去の自然災害記録や避難施設の一覧も紹介している。
津波ハザードマップでは、最大津波高や避難経路を記載。最大津波高は厚真川河口で7・7メートル、厚真町沿岸で9・2メートル。潮位の変動が始まる津波影響開始時間は20センチで20分前後、第1波の到達時間は44~46分。
町では3000部用意しており、全戸配布するほか、町ホームページなどでも掲載する。町総務課は「浸水の範囲が広がり、浸水深は従来よりやや高く、津波到達時間も早まっている」とし、「希望する自治会には現地に赴いて内容を説明、学習する機会も検討している」と話す。
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むかわ町は、津波ハザードマップ(A4判、22ページ)を2013年度以来9年ぶりに更新した。2500部を作成。町は鵡川地区の対象エリアの住民に配布するほか、要望に応じ、自治会などでの説明にも応じる考え。町総務企画課は「町内会、自治会ごとに掲載し、視覚的に分かりやすさを意識した。自然災害への備えを働き掛けていく」とする。
津波の浸水予測図は鵡川地区全体から晴海・田浦、汐見、市街地の三つの拡大バージョンを掲載。津波警報が発表された場合に、車両を使って日高自動車道以北まで避難する経路を地区ごとに示した。また、円滑な避難を促すため、地域ごとに車での避難経路も盛り込んでいる。
新たに示した沿岸最大水位は晴海地区で10・1メートル、鵡川河口で同8・3メートル、汐見地区で同10・2メートル。津波影響開始時間はいずれも18分、第1波の到達時間は41~44分となっている。
このほか鵡川、穂別地区全域までカバーした洪水ハザードマップ(A4判、46ページ)を13年ぶりに新しくした。4500部製作し、全戸配布する。