厚真町の小中学生6人が3月下旬に東日本大震災の被災地・岩手県釜石市で行った防災学習プログラムの報告会が9日、町内京町のコミュニティースペース「イチカラ」で開かれた。
プログラムは、厚真町の放課後子ども教室事業を展開する「オフィスあっぷ・ろーど」が主催。2018年9月に胆振東部地震で被災した際、釜石市の小学生らが厚真町を支援で訪れたことがきっかけとなり、今回3月26~28日の日程でツアーが実現した。
現地では、犠牲者の名前が刻まれた祈りのパーク、ラグビーワールドカップの会場になった釜石鵜住居復興スタジアム、世界最大水深とされる釜石港湾口防波堤などを見学。東日本大震災で多くの子どもの命を救った「津波てんでんこ」(津波が来たら、まずは自分だけでも逃げる)など、地元の子どもたち自らが率先して取った避難行動などを学んだ。交流会では現地の園児から高校生ら約30人が参加し、すごろくやビンゴゲームも使って防災や互いの住む地域について理解を深め合った。
報告会で厚真中1年堀田桜来君(12)は「あんな大災害を思い出したくないと思うが、ちゃんと(遺構として)残しているものがあった。被災地とは思えないほどみんな元気で楽しそうに過ごしていたので、厚真ももっと元気な町にしたい」と思いを語った。プログラムを企画した上道和恵代表は「今後も互いに行き来できるような交流ができれば」と話していた。