厚真町厚南中学校の英語科教諭・山本有紗さん(28)が、7月から2024年3月までの約1年9カ月間、国際協力機構(JICA)の海外協力隊としてパラオ共和国へ派遣される。現地では日本の小・中学校に相当する学校で体育指導の改善に取り組むことを予定しており、「日本とパラオをつなぐ懸け橋になれたら」と目を輝かせる。
山本さんは富良野市出身、道教育大学旭川校卒。大学在学時に1年間、英国へ留学した際、国際協力に携わっている留学生を見て「こういう道があるんだ」「いつか行けたら」との思いを抱いた。大学卒業後、中学校で教員をしながらタイミングをうかがっていた。
昨年春に厚南中に赴任。英語や家庭科の授業を受け持つほか、バドミントン部の顧問として生徒たちと時間を共有してきた。今回の応募に当たり、1学年の担任を務めていたことから「3年間、成長を見届けたいという思いはあった」と言う。その一方で、「パラオと子どもたちをつなげる新しいきっかけになれるのでは。私自身が挑戦する姿を見せたい」との気持ちになり、同僚や管理職にも背中を押されて応募を決断。大学時代に取得した保健体育の教員免許が生かされ、合格した。
パラオは日本の真南に位置し、時差はないが、山本さんにとっては未知の国。だが、「雰囲気は温かく、親日の国とあって朗らかなイメージを持っている」と言い、「中学校で関わってきた生徒と、現地の子どもたちは同年代なので、オンラインで交流などできる機会があれば」と思いを膨らませる。
年度替わりに合わせて今月12日から約2カ月間、長野県駒ケ根市で訓練を受けた後、現地の受け入れ態勢が整い次第、出国となる予定。山本さんは「2年間に得るいろんな出会いや学ぶことを、(帰国後)生徒たちに還元したい。今の勤務地も温かい場所なので、まちづくりにも携わっていけたら」と青写真を描く。