厚真町民有志でつくるボランティア団体「あつまっぷる」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止にしていた胆振東部地震の被災者向けに行っていた体操教室を6日から再び始める。再開に当たり高齢者支援をさらに充実させようと、”頭の体操”ができる簡単な手話を使ったプログラムを考案するなど、関係者らは知恵を絞っている。
体操教室は、2018年9月に発生した震災をきっかけに、町社会福祉協議会が応急仮設住宅の談話室で定期的に開催するようになった。入居者が仮設住宅を出た20年11月以降は、あつまっぷるの代表を務める高橋康夫さん(70)が活動を引き継ぎ、町内の施設などを巡回して教室を開いてきた。その中で賛同者が増え、現在は18人の会員がそれぞれ役割を持って被災者を支援する体制を整えた。
しかし、コロナ禍による制限もあって、今年に入ってから活動はできずにいた。このため、メンバーらはオンラインで会議を開いて、支援方法などを模索してきた。3月末には高橋さんを含む6人が打ち合わせ、教室参加者向けに手話のプログラムを考案し、提供することにした。楽しく取り組めるよう音楽に合わせて進めることにし、本番に備えてデモンストレーションを行った際は「動作は大きくした方がいい」「声は出さず、口をパクパクさせて」といった意見を出し合った。
高橋さんは「1人暮らしの方やその周りにいる人に参加を呼び掛けながら、(被災高齢者などが)地域になじんでいけるように見守っていきたい。手話は初めての人が多いと思うが、何回か繰り返していくうちに慣れていくはず。脳トレだと思って楽しんでもらえたら」と話している。
再開する教室は6日午前10時から、町総合福祉センターで予定している。