厚真町社会福祉協議会は、2018年9月に発生した胆振東部地震の被災者支援を目的に立ち上げた「災害ボランティアセンター」の運営に協力した道内外の45団体に感謝状の盾を贈った。町内4団体への贈呈セレモニーは3月31日に児童会館で行い、町の木とされるコブシの被災木でできたオリジナルの感謝状の盾を手渡した。
町の同センターは、震災翌日の9月7日に開設。ボランティアたちは、被災した家具や食器などが散乱した部屋の片付け、災害ごみの撤去をはじめ、水の運搬、避難所の清掃に精力的に取り組んだ。被災者が避難所から仮設住宅へ移る際には引っ越し作業を手伝った。その後も20年12月末までに、道内外から約5500人が足を踏み入れ、約1230件の支援に携わった。
感謝状の盾を手掛けたのは、町内の若手林業家や木材加工を手掛けるメンバーらでつくる一般社団法人「ATSUMANOKI96」。幅15センチほどの八角形の型をコブシの被災木を使って作り、同センターの運営を支援したことに感謝する文を印字した。日付は発災から3年後に当たる21年9月6日にしている。
町社協の大橋正治会長は「災害ボランティアセンターは一区切りつけたが、(震災以前に)完全に戻るまでには至っていない心のケアなどを、皆さんのご協力を頂いて継続していきたい」と呼び掛けた。
感謝状を受けた町民生委員協議会の阿部清一会長は「メンバーの中にも(自宅が)全壊するなど苦労という言葉以外の表現ができないほどの苦労をした者が大勢いるが、このような盾を頂き、感謝している」と振り返り、「津波をはじめ、これからの災害への対応について、流れをつくっていきたい」と思いを新たにしていた。