第23回全国高校女子硬式野球選抜大会が26日、埼玉県加須市内で開幕した。第2日の27日までに1、2回戦が行われ、駒大苫小牧は2―4で福井工大福井に惜敗。前回大会に続く3回戦進出はかなわなかった。
3回戦には前回覇者の開志学園(新潟県)、準優勝の履正社(大阪府)などが順当に駒を進めた。
2年生以下で挑む高校女子硬式野球の春の大舞台。全国高校女子硬式野球連盟、加須市主催。全国37チームが出場し、4月3日を最終日とする6日間で行われる。決勝は東京ドームで開催される。
26日
▽2回戦
駒大苫小牧
0100001―2
012100X―4
福井工大福井
(駒)柴田、金田―勝俣
(福)吉森―浅野
?佐藤瑚(駒)山田(福)
駒大苫が逆転負け。先発した柴田が1点リードの二回以降に相手打線につかまり、四回まで毎回得点を許した。最終七回に代打攻勢が奏功し1点を返したが、反撃もここまでだった。
27日
▽2回戦
高知中央7―0日本ウェルネス、東海大静岡翔洋5―2松本国際、秀明八千代4―1岡山学芸館、横浜隼人2―0至学館、蒼開5―4連合丹波、履正社9―0駒沢学園女子、京都明徳(不戦勝)秀岳館、開志学園2―0京都両洋、花巻東11―6叡明、神戸弘陵6―1作新学院、岐阜第一5―2新田
26日
▽2回戦
京都外大西4―3福知山成美、クラーク記念国際6―2折尾愛真、花咲徳栄7―4島根中央、埼玉栄24―0蒲田女子・小石川
▽1回戦
日本ウェルネス4―0南部商業、東海大付静岡翔洋7―0岩瀬日大高、岡山学芸館5―0大体大浪商、横浜隼人3―2神村学園、開志学園10―0札幌新陽、新田6―4山陽
―チームに焦り、中盤失点悔やむ
初回の相手攻撃を好守で切り抜け、直後の二回に押し出しで幸先よく先制。流れをつかんだかに見えたが、甘くはなかった。
まずは二回1死一、三塁から重盗で失点。三回は先発した右腕柴田(2年)が無死満塁のピンチで3番打者を併殺打に仕留めるも、続く4番に3ボール1ストライクから中前打されて勝ち越された。
四回には無死一塁から3連続犠打、そのうち一つは連係のミスで安打となり追加点を許す結果に。茶木監督は「点の取られ方が悪すぎた」と手痛い中盤の失点に肩を落とした。
打線は五回までわずか1安打。22日の埼玉入り後に行った練習試合から打撃不振の兆候があったといい、藤井主将(2年)は「実戦から離れていることもあって全員に焦りがあった。それがチームの雰囲気を悪くしてしまった」と悔しがった。
集大成の夏はあっという間にやってくる。茶木監督は「夏につながる一戦にはなったと思う。着実にチームは成長している」と今後の伸びしろに期待。藤井主将は「もう一度みんなで意見をぶつけ合って、自分たちはどういうチームで戦っていくのかを再確認したい」と前を向いた。
―1年、代打起用に応える
最終七回に代打に送られた佐藤瑚(東京・府中第二中卒)、渡辺(恵庭恵明中卒)の1年生が共に快音を響かせ起用に応えた。
佐藤瑚はこの回の先頭で打席に入ると、内角の直球をレフト線へ運ぶ二塁打。「強気でいこうと思った。1年生らしく暴れることができた」とチーム唯一の長打に胸を張った。
0―2でクラーク記念国際(宮城県)に敗れた昨年8月のユース大会(愛知県)では、七回2死から代打出場し遊飛で試合終了。「緊張で縮こまってしまった」
悔しさをバネに冬期間で懸命にバットを振り込んだ。スイング時に体が上下動する癖も体幹強化で修正。打った瞬間「いった」と確信する完璧な一打だった。
続いて打席に立ったのは渡辺。監督から「後ろにつないでくれ」と託されると、2球目の外に逃げる変化球を三遊間へ鋭くはじき返した。
読みが当たった。先発した相手投手は力強い直球が持ち味。前の打席で対戦した佐藤瑚には直球主体の配球だった。渡辺への初球も直球。「2球目は必ず変化球でカウントを取ってくる」。その後の追加点につながる期待通りの一打に、塁上で満面の笑みを浮かべた。
頼もしい先輩たちと戦える全国大会も、夏の選手権を残すのみとなった。「ただサポート役になるだけじゃなく、自分たちの代もしっかり戦う意識を持って優勝を目指したい」と語った。