北海道開発局は、平取町内芽生地区で建設を進めている平取ダムで、貯水池周辺の安全性を確認する試験湛水(たんすい)を実施している。2月に最高水位に達し、現在はたまった水を少しずつ放流している。
試験は2021年11月24日に始め、最高水位(標高184・3メートル)には22年2月13日に達した。この後、ダムの安全性を確認しながら水位を1日1メートル以下のスピードで降下させ、終了水位(160メートル)にして試験を終える。
同ダムは、高さ55メートル、総貯水量は4580万立方メートルの重力式コンクリートダム。洪水防止や日高、平取の流域2町の水道水確保を目的とする。沙流川下流域の二風谷ダム(1998年完成)と同開発事業として建設が進められた。
今年は雪が多く、ダムは上から見ると雪原状態。コンクリートのつなぎ目や、地下に浸透する水漏れ、貯水池周辺の地滑りなどの安全性を確認し、年度内に試験湛水を終え、4月に供用を開始する。
室蘭開発建設部沙流川ダム建設事業所の田代隆志所長は「洪水の季節を迎えた時に機能を発揮し、住民の生活を守ってくれることを願っている」と話した。