むかわ町の曙自治会(太田敏昭会長)が、創立100周年に合わせて記念誌「あゆみ」を完成させた。60周年以降の40年間について地域の出来事や住民の様子をまとめており、自治会員の思いがぎっしり詰まった一冊に仕上がっている。
100周年記念実行委員会によると、曙自治会は大正時代の初期に本州から渡って来た6人により始まった―とされる。小さな集落だが、一人ひとりのつながりや結束力があるほか、女性への理解などが進んでいて、社会で活躍、先導するリーダーなどを輩出してきた。2018年9月の胆振東部地震では家屋損壊の被害を受け、町外への移住を余儀なくされた会員もいたが、現在も宮戸、米原両地区の一部住民29世帯が暮らしている。
記念誌はA4判よりやや大きく、166ページで70部作成。基幹産業である農作業の風景をはじめ、自治会や老人クラブの花植えの様子を撮影した写真などを掲載。現在住んでいる世帯の家族構成、歴代役員、この40年の年表も紹介している。
また、同自治会の出身でもある山口憲造前町長をしのぶコーナーや、近年この周辺でも生息が確認されているタンチョウ、大相撲の元横綱・曙が自身の名前にあやかって曙稲荷神社が愛称の豊受稲荷神社を訪れ、住民と共に納まった記念写真も盛り込んでいる。
完成した記念誌は、会員世帯に配布したほか、町役場や町教育委員会、図書施設などに寄贈する予定。同実行委員会の委員長を兼ねる太田会長は「この記念誌が曙の歴史を未来へつなぐ一冊になることを期待している」と話している。