浦河署(佃正広署長)は2日午後5時、えりも町の2地区で、初めて冬の深夜帯の巨大地震を想定し、避難訓練を実施した。2地区の住民計約150人が参加した。
89年前の1933年3月3日午前2時半に発生した昭和三陸沖地震で同町を約14・2メートルの津波が襲い、13人が亡くなったことにちなむ訓練。
3日午前2時半ごろ、太平洋三陸沖を震源とする巨大地震(えりも町震度5強)が発生し、同町沿岸一帯に「大津波警報」が発表されたことを想定して行われた。
えりも岬地区の住民約100人と庶野地区の約50人、乗用車計約95台が参加。町役場や日高東部消防組合えりも支署が協力し、えりも岬地区の住民は襟裳岬第一駐車場、庶野地区では庶野さくら公園奥側駐車場に車両や徒歩で避難した。町防災行政無線による避難広報、警察と消防車両による地域住民の避難誘導も行われた。
同署の佐藤匡輝副署長は「過去に同じ場所で甚大な被害があったことを忘れず、発震時にはすぐ逃げることを念頭に置いて日頃から備えを」と訴えていた。
内閣府が昨年12月に発表した日本海溝と千島海溝沿いで巨大地震が発生した際の被害想定によると、道内での死者数は約13万7000人に達するが、早期避難で約8割が生存すると推計されている。