厚真町は3日、町総合福祉センターで記者会見を開き、2022年度各会計予算案を発表した。一般会計は82億7000万円。21年度当初予算の7・3%減となったが、胆振東部地震で3000ヘクタールを超える大きな被害があった森林の再生や宅地耐震化推進など、復旧事業を多く盛り込んだ。宮坂尚市朗町長は「厚真町としては大規模な予算」とし、「いまだ胆振東部地震の影響がある。復旧から復興のフェーズ(局面)へ向かう年度」と位置付けた。
特別会計は国民健康保険事業、簡易水道事業などの増額により、21年度比3・9%増の23億7800万円。総額は同5・1%減の106億4800万円。
主な歳入は、町税が21年度比0・9%増の15億7200万円、地方交付税は同16・1%増の26億2900万円で、道支出金が森林再生事業関連で同23・5%増の6億7600万円。町債は同22・9%減の7億7840万円。歳出は、土木費が13億2200万円、公債費が11億1300万円、給与費が10億7500万円、民生費が10億4400万円。総務費はエネルギー地産地消事業、サテライトオフィスの整備をおおむね終えたため、同37・4%減の8億1200万円とした。
主な事業内容は森林の再生関係で21年度に続いて林業専用道の整備を図るほか、新たに再造林することで所有者の負担を軽減させる取り組みや大型機械が出入りできる作業道を確保する。被災した町有林の造林事業も盛り込んだ。豊沢地区や新町地区の宅地耐震化推進事業には、21年度同様に大きな金額を計上した。
また災害に強いまちづくりとしてエネルギー地産地消事業を継続するほか、ゼロカーボンについても達成に向けて着手していく。このほか、関係人口の創出を図るため、短期で受け入れるインターンシップ型地域おこし協力隊制度の活用を充実させる。厚真中学校に4種仕様の陸上グラウンドを整備する。こども園の民営化に向けた事業も継続する。
一方、新たに建設を目指している役場新庁舎と周辺整備については、町議会の特別委員会と審議を行っている状況から今回の計上を見送った。「まだ説明が不十分。町議会との意見交換が必要」とし、今後の審議状況を見て補正していく考えを示した。