白老町は、2022年度に自動車運転免許自主返納サポート事業を導入する計画だ。免許証を返納した70歳以上の町民に対し、町内で運行するバスなど地域公共交通の利用回数券を配布する内容。運転に不安のある高齢者の免許証返納を促し、交通事故の抑制につなげたい考えだ。
計画では、自主返納のほか、免許証の更新をしなかった高齢者に対し、申請に基づいて地域公共交通の利用回数券を配る。回数券は、予約制デマンドバス「カムイ号」や地域循環バス「元気号」など町が運行するバスをはじめ、地元タクシーや介護タクシーも利用できる共通券とする考え。
申請者1人につき、1冊1200円分の共通回数券を9冊(計1万800円分)を配布する予定。町民の返納実績を踏まえ、22年度一般会計予算案に55人分の事業予算59万4000円を計上した。3月の町議会定例会で予算案が可決されれば、4月1日に申請の受け付けをスタートさせる予定だ。
ブレーキとアクセルの踏み間違いといった運転操作のミスや、判断能力の衰えなどによる高齢運転者の事故が全国的に増加傾向にある。道内も同様で、自主返納の高齢者にバス回数券を交付したり、地元スーパーで購入した商品の無料配送サービスを受けられたりする事業を導入する自治体もある。
自主返納を促すサポート事業を予定する白老町の担当課は「高齢運転者の事故を減らし、まちの交通安全を推進したい」としている。