白老町消防本部のまとめによると、2021年の救急出動は988件で、前年比で84件増となった。20年は過去10年間で最少を記録したが、再び元の水準に戻った。急病やけが、交通事故のいずれの出動も前年を上回り、昨年秋以降の新型コロナウイルス感染流行の落ち着きに伴う人の行動自粛の緩和も一因とみられる。
主な出動の内訳は、急病が660件で前年比80件増。一般負傷は124件で11件増えた。交通事故は33件で4件増。自損は3件増えて13件となった。このほか、転院搬送など「その他」が143件で、前年より10件少なかった。
出動件数は近年、980~990件レベルで推移。19年は1024件と統計史上で初めて1000件を超えた。しかし、20年は904件と記録的な少なさとなり、特に交通事故に伴う救急出動が前年より半減。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛が背景にあるとみられていた。
21年もコロナ禍が続いたものの、出動件数は増加に転じた。過去10年間で見ると、17年の992件に次ぐ3番目の多さとなった。コロナワクチン接種の広がりで昨年秋以降、全国的に感染者が急減し、これに伴う外出自粛の緩和ムードで「人の動きも再び活発化したことが出動増加の一因にあるのではないか」と町消防本部は推察する。
一方、21年の火災発生は12件。前年の2倍に増えたが、けが人はいなかった。内訳は建物火災が6件で、前年比3件増。自動車の電気系統トラブルなどによる車両火災は5件で2件増えた。「その他」として、ごみ焼きの火で周囲の枯れ草などが燃えたケースが1件あった。
住宅など建物の火災は大町、竹浦、東町、高砂、日の出、北吉原の各地で発生。詳しい出火原因は判明していないが、大町など住宅全焼の事例もあった。
今年も1月29日に緑丘の住宅で全焼火災が起き、住人の1人がやけどを負った。同本部は「火の取り扱いには十分に注意してほしい」と呼び掛けている。