住民基本台帳に基づく白老町の1月末人口は1万5999人となり、1万6000人台を割り込んだ。一時は2万4000人超の人口を抱えたものの、少子化や若い世代の流出などを背景にした人口減少が進展し、60年前の水準となった。地域の活力喪失を招きかねない人口減を抑制する手立てが求められている。
1月末人口は前月比で51人、前年同月比では322人それぞれ減った。性別内訳は男性7588人で前月比23人減、前年同月比163人減。女性は8411人で前月比28人減、前年同月比159人減となった。
自然動態は出生2人に対し死亡33人で31人減。社会動態は転入14人に対し転出32人で18人減少した。その他で2人減。年齢別では、15歳未満の「年少人口」が1048人、15歳から64歳までの「生産年齢人口」は7515人、65歳以上の「老年人口」は7436人。いずれも前月、前年同月を下回った。
町の人口は、戦後の経済成長に歩調を合わせるように伸び、1960年の大昭和製紙白老工場(現日本製紙白老工場)開設を契機に飛躍的に増加。65年の観光拠点ポロトコタンのオープンも後押しし、85年には2万4353人に達した。
しかし、それをピークに減少に転じ、2009年には2万人を割り込み、その後も加速度的に減り続けている。1万5000人台になった現在の人口は、同白老工場の操業が始まった頃の水準で、ピーク時に比べて8000人以上も落ち込んだ格好だ。
転出者の人数が転入者を上回る社会減に加えて、少子高齢化を背景に死亡者数が出生数を上回る自然減が続いており、人口はさらに少なくなっていく見通し。国立社会保障・人口問題研究所は白老町の人口について、2045年に7770人になると推計。対策を講じなければ、60年には4258人に縮小すると予測している。
人口減に対処するため町は、町外から転入した子育て世帯や若い世帯を対象に民間住宅の家賃を補助したり、新婚の若い世帯に新居への引っ越し費用や家賃を助成したりする制度を設けるなど、移住・定住策を導入している。町のホームページで白老の魅力や子育て・教育の支援制度なども発信し、移住を促しているものの、人口減にブレーキがかかる効果は表れていない。町の担当者は「さまざまな角度で対策を検討していきたい」としている。