日高軽種馬振興対策推進協議会は、人手不足が深刻な軽種馬牧場の人材確保のため、担い手や後継者を養成する2種類のコースを用意し、研修生を募集している。研修生は日高町緑町の施設「ひだか・ホース・フレンズ」で牧場への就農に向けた多様な体験を積むことができる。
コースの一つは2泊3日の「お仕事体験プログラム」。馬との触れ合い、餌あげ、きゅう舎作業など、牧場の一日を場長の指導で体験する。
もう一つは研修期間が最長3カ月になる「就農養成プログラム」。軽種馬生産牧場への就農や馬に関する職業に就くために研修を希望する人、中卒以上で健康状態が良好かつ体験期間中に寮生活ができる人が対象。引き馬、手入れなどの馬の取り扱い、給餌、集放牧などのきゅう舎作業、施設管理、環境整備など生産牧場就農のための技術を習得する。馬の集放牧ができるまでを目標に同施設で1~2カ月、就職候補先の牧場で1カ月研修する。
両プログラムとも最大3人まで募集。申し込みは随時受け付けており、研修開始希望日から10日前までに申し込む。
「ひだか・ホース・フレンズ」は、日高軽種馬農協が2010年まで運営していた旧門別種馬場の設備を活用。きゅう舎や放牧地を備え、旧施設の職員住宅を寮に使用している。自治体からの助成金や、施設で養う引退馬の預託金などで運営費を賄っており、研修費は食費や交通費を除き無料。
日高管内で競走馬の育成技術を学ぶことができる施設には、浦河町の軽種馬育成調教センターなどがあるが、研修内容に騎乗訓練が含まれることや、修了まで1年程度の期間を要することから、「より気軽に牧場仕事を体験できる場が必要」と考え、開設に至った。
昨年9月から会員制交流サイト(SNS)などで研修生を募集したところ、関東、関西圏から申し込みがあり、これまで10代~40代の男女10人が参加している。
プログラムの詳しい問い合わせは日高軽種馬農協(http://www.uma-tomo.com/)。