むかわ町の穂別博物館は8日、文化庁で行う「博物館等の国際交流の促進事業」の一環として、モンゴル国科学アカデミー古生物学研究所と、オンラインで意見交換を行った。町内の高校生とモンゴルの専門家らが地元で見つかっている古生物化石について情報を共有し、今後の活動の糧にした。
同事業は、新型コロナウイルスの感染拡大により停滞する博物館が国際交流など横のつながりを通じて、古生物学の研究や教育活動の促進を図るのが目的。国内では穂別博物館のほか、群馬県の自然史博物館、福岡県の北九州市自然史・歴史博物館、北海道大学総合博物館が対象になっている。
むかわ町からは、穂別博物館の櫻井和彦館長と鵡川高校の恐竜研究同好会の生徒3人がオンラインで参加。生徒たちが画像や脊椎動物全身骨格の3Dデータを活用しながら、穂別地区で発掘された「カムイサウルス・ジャポニクス」(通称むかわ竜)やクビナガリュウ「ホベツアラキリュウ」、モササウルス類の「フォスフォロサウルス・ポンペテレガンス」などについて英語で紹介した。
同研究所からは、所長を務めるツォクトバートル博士がリモート出演し、「アジアでは231属の恐竜、中生代の鳥の化石のうち、モンゴルで81属が見つかっており、化石の産出もこの20年で増えている」と講話。発見された化石の中から1965年にモンゴルのゴビ砂漠で見つかった恐ろしい腕を持つと言われる「デイノケイルス」をはじめ、「タルボサウルス」など代表的な恐竜について解説した。
鵡川高2年の佐々木大空さん(17)は「今後、(化石発掘などの)校外活動にも積極的に取り組んでいけたら」と語り、櫻井館長は「今回の交流をきっかけにどんどん取り組みを進めていきたい。児童や生徒にももっと広げていき、モンゴルのスタッフや子どもたちとも化石を紹介し合うようなことができれば」と話していた。