白老駅北観光インフォメーションセンターの今年度1月までの来館者数は7万5127人となり、前年度同期の4割減に落ち込んだことが分かった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時的に閉館を強いられたことが要因とみられる。コロナ禍は白老の観光振興拠点にも暗い影を落としている。
8日の町議会駅北地区観光商業ゾーン整備・活性化促進特別委員会で町が報告した。
民族共生象徴空間(ウポポイ)の経済波及効果を取り込むため、町が駅北観光商業ゾーンに整備した同センターは、地元観光情報の発信や特産品販売の拠点として2020年4月1日にオープン。白老観光協会が管理運営し、初年度の来館者数はコロナ禍に遭いながらも14万264人、売上高は5685万円の実績を上げた。
一方、今年度は、1月末までの来館者数が前年度同期比で5万2326人減となり、大幅に減った。売上高は3851万円で、前年度同期に比べ1000万円以上も落ち込んだ。
原因について町産業経済課の担当者は「新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言で営業できない日数が60日ほどあったことが大きい」と説明する。宣言発令により、昨年5月から6月と、8月から9月にかけて閉館を強いられたため、結果的に来館者数や売上高が前年同期よりダウンした。「特に昨年9月は全く営業できず、来館者数はゼロとなった」と言う。
また、2度にわたる緊急事態宣言のほか、感染拡大に伴うまん延防止等重点措置の発令もあって、日帰り客を中心に白老への観光客の入り込みが大きく減ったことも背景にある。町がまとめた今年度上期(昨年4~9月)の観光入り込み数は、前年度同期比で5万6000人減少した。
今年に入り、全国的に感染者が急増しているため、観光需要は大きく鈍り、同センターも影響を受け続けている。同課の担当者は「コロナが早く落ち着いてくれれば」と願うばかりだ。
木造平屋建て延べ床面積520平方メートルの同センターは、観光インフォメーションコーナーと物販コーナー、多目的コミュニティールームで構成。24時間型トイレも併設している。