山崎さんに「文化賞」 菅野さん「奨励賞」受賞 アイヌ民族文化財団 功績たたえる  白老

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2022年2月8日

 白老町でアイヌ文化の伝承活動を続ける山崎シマ子さん(81)が公益財団法人アイヌ民族文化財団(札幌市)の2021年度「アイヌ文化賞」、菅野節子さん(77)が「アイヌ文化奨励賞」を受賞し、7日に町内で贈呈式が行われた。

 両賞は、アイヌ文化の伝承と振興に貢献した個人や団体に贈り、功績をたたえるもので、同財団が毎年実施している。今年度は山崎さん、菅野さんを含め道内外の5個人1団体を選んだ。

 最高賞のアイヌ文化賞に輝いた山崎さん=町高砂町=は、1986年から同町の旧アイヌ民族博物館に勤務し、織物や編み物など女性の手仕事を中心に伝統工芸品の復元制作に携わった。また、白老民族芸能保存会のメンバーとして古式舞踊の伝承・保存にも尽力した。現在はアイヌ伝統工芸サークル「テケカラペ」の代表を務め、伝統文化の担い手育成に努めている。

 受賞に山崎さんは「伝承活動を続けてこられたのは、私たちの先祖が素晴らしい作品を残してくれたおかげ」とし、「このような立派な賞を頂けたことをサークルの生徒にも感謝したい」と述べた。

 白老で生まれ育ち、アイヌ民族の血を引く家系ながら、親からはアイヌ文化を学ぶことはなかった。「アイヌ文化に関わらなくてもいい。それが親の教えだった。たぶん、アイヌ民族への差別など苦労したからではないか」と言う。しかし、旧アイヌ民族博物館で伝統工芸の仕事に携わってから、「先祖が継承した文化の奥深さに気付き、私の体に流れるアイヌの血を意識するようになった」と言い、「元気なうちは伝え残す活動に励みたい」と意欲を見せた。

 一方、菅野さん=町北吉原=は、町内の生活館でアイヌ文様刺しゅうの講師として活躍し、2013年に刺しゅうサークル「エミナの会」を結成。毎年、作品展を開くなど伝統文化の伝承に励んでいる。白老民族芸能保存会にも所属し、東京五輪の公認プログラムとして昨年、札幌市で行われたアイヌ古式舞踊のステージにも出演し、日本の先住民族文化を世界に発信した。

 受賞に菅野さんは「活動を通じて人と人のつながりが生まれ、広がっていったことがうれしい。賞を励みにこれからも文化振興のお手伝いをしていきたい」と話した。

 町内で行われた賞の贈呈式では、同財団の常本照樹理事長が2人に賞状を手渡し、今後の活躍に期待を寄せた。

 アイヌ文化奨励賞には菅野さんの他、新ひだか町の秋田てるさん(73)、釧路市阿寒町の秋辺日出男さん(61)、栃木県小山市の丸子美記子さん(64)、十勝管内幕別町のマクンベツアイヌ文化伝承保存会が選ばれた。

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