安平町の総合型地域スポーツクラブ「NPO法人アビースポーツクラブ」は5、6の両日、保護者やスポーツ指導者、教育関係者らを対象に「ダブル・ゴール・コーチング」のオンラインワークショップを開いた。
ダブル・ゴール・コーチングは、「試合で勝つために全力を尽くすこと」と「スポーツを通じて人間的成長を促すこと」を同時に進める米国で主流となっている取り組み。NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブのスタッフが講師を務めた。
6日の子育て世代に向けた「保護者編」では、同法人の小林忠広代表理事が親としてできる子どもとの接し方について講話。▽「―しなさい(命令形)」ではなく「―?(疑問形)」で終わる会話にすることで自ら考えてもらう▽自由な回答を求め、時には答えを求めない―といった方法を挙げ、「子どもを尊重することで質の高いものを引き出すことができる」とアドバイスを送った。さらに、親として「結果ではなく、努力したことを褒めてあげて」と助言した。
5日のスポーツ指導者や学校、認定こども園の教諭を対象にした「指導者編」では、チームカルチャーについて説明。合致した価値観や習慣、共通言語、家族のような感覚など「強いチームには必ずと言っていいほど、パフォーマンスを向上させるものがある。子どもたちの目線で、それがどうなっているのかを肌で感じることが大事」と話した。
また頭のトレーニングとして1日1回のチームミーティングの重要性も説き、「目いっぱい練習した中盤がお勧め」「15分よりも5分×3セット、7分×2セットと小分けの方が効果的」とレクチャーした。
同クラブは、ダブル・ゴール・コーチングの普及を図ろうと、定期的にワークショップを開催している。鳥實裕弥クラブマネジャーは「指導者も保護者も子どものためにできる環境を考える機会として、次年度以降も継続していきたい。スポーツだけではなく、教育現場などでも生かせるのでは」と話していた。