地元の子どもたちに特産品のたらこを食べてもらいたいと、白老町虎杖浜の竹丸渋谷水産(渋谷敏幸社長)が、インターネットで資金を調達するクラウドファンディング(CF)に取り組んでいる。全国から寄せられた支援金を活用し、学校給食へ食材を提供する。同社は「児童生徒に郷土の味を届けたい」と協力を呼び掛けている。
同社は、地域ブランドの「虎杖浜たらこ」など水産加工品の製造販売を手掛ける企業。昨年9月、町教育委員会が小中学校の給食に地場食材を活用する「ふるさと給食」に協力し、同社のたらこを使った「和風たらこスパゲティー」を児童生徒に提供したところ、好評を得た。たらこは町内の保育園や幼稚園の給食にも使われ、園児に喜ばれた。
子どもたちの反応を受けて同社は、再び「ふるさと給食」に食材を提供したいと、CFで資金を調達することにしたという。
CFでは、たらこ、いくらしょうゆ漬けなど支援金の額に応じた返礼品を用意し、目標額30万円を掲げて1月21日に開始。6日までに6人から3万6000円が集まった。応援コメントの欄には、「白老出身で白老牛ハンバーグが給食に出たことを今でも覚えています。おいしい給食を食べさせてください」などと、白老町がふるさとという人からのメッセージも寄せられている。
資金支援はCFサイト「READYFOR」で受け付けており、3月21日まで続ける。担当する同社IT事業部の伊藤崇課長は「昨年のふるさと給食で地元のたらこを初めて食べたという子どももいて、本当に喜んでもらえた。地元企業として町教委の事業に持続的に関わっていければ」と話す。
CFサイトの掲載面には、「おいしかったです。ありがとうございました」と、給食でたらこを味わった子どものメッセージや、笑顔の写真も載せている。伊藤課長は「食を通じて郷土への愛着が深まれば」と言い、資金調達への支援を求めている。
問い合わせは竹丸渋谷水産 電話0144(87)2433。