厚真町は、新たに建設する新役場庁舎と周辺等整備に関する基本構想・基本計画の素案をまとめた。新庁舎は現在、建物ごとに分散している窓口や執務空間を集約し、町民が使いやすくするほか、災害対策本部を設置する。また当初、2023年度までに目指していた新庁舎完成を、新型コロナウイルス感染症の影響や国の補助金の交付時期などを踏まえて25年度に変更する方針を明らかにした。
町内では既存の庁舎をはじめ、周辺の公共施設の多くが耐用年数を経過している。中でも現庁舎は耐用年数60年のところ、68年が経過し、老朽化が著しくなっていた。その中で胆振東部地震や新型コロナウイルス感染拡大による社会情勢の変化を受けたことから、町民らの意見を取り入れて基本構想・基本計画を今年3月までに策定することにしている。
基本構想・基本計画の素案によると、新庁舎のほか、図書館機能がある現行の青少年センター、ギャラリー、児童会館などを集約・複合化した「文化交流施設」を整備。現庁舎を歴史的建造物として保存・活用し、埋蔵文化財やアイヌ民族関連品、胆振東部地震に関する資料などを展示する「アイヌセンター」(仮称)として改修する。
22年度から役場庁舎、文化交流施設、アイヌセンター、総合福祉センターを含めた周辺エリア一帯の基本設計をスタート。24年度に新庁舎の建設工事を始め、25年度の竣工(しゅんこう)を目指す。文化交流施設の建設工事、アイヌセンター、総合福祉センターの改修は26年度に計画している。
総事業費は66億3500万円を見込んでおり、国庫支出金や緊急防災・減災対策事業費や過疎対策事業費などを充てていく考えだ。