新ひだか、新冠、日高の3町で構成するひだか漁協(本所・新ひだか町、石井善広代表理事組合長)が、日高町緑町に建設を進めていた「ひだか漁協水産物冷凍加工施設」が完成し、このほど同施設で竣工式を関係者のみで行った。
新型コロナウイルス感染者が急増していることを踏まえ、同漁協や建設会社の関係者のみで執り行った。出席者は漁協関係者10人と建設関係者15人。
平取町の義経神社の神主が施設の無事完成を報告し、感謝する神事を行った。この後、石井代表理事組合長が「地球温暖化による水産資源の変化などで日高の漁民の生活は大変厳しい。本施設は大型冷凍保管倉庫と高度衛生管理設備を導入した最新の加工施設。竣工を機に地域水産業の活性化と地場産鮮魚の付加価値向上を目指していく」とあいさつ。監理した中山設計事務所の藤原昇悟代表取締役、施工した岩田地崎建設の岩田幸治取締役副社長執行役員北海道本店長、磯田組の磯田洋一代表取締役社長に感謝状を贈呈した。
施設は昨年12月30日、緑町130に完成した。鉄骨造り平屋建て、建築面積4654・20平方メートル。内部は冷凍倉庫棟、一般鮮魚加工棟、サケ加工棟、タコ加工棟などからなる。
同漁協管内ではこれまで、大型の冷凍庫施設や1日に大量の鮮魚を加工できる業者がなく、漁業者が大量に水揚げすると、運賃を掛けて管外の大型の加工場などに出荷していた。出荷調整に対応し切れず、魚価はその日の水揚げ量に大きく左右されていた。
冷凍加工施設の運用により、これまでの漁業者と漁協が販売するだけから、同漁協による加工、冷凍保管による出荷調整、販売ができるようになり、総合的な6次産業化の推進が期待されている。
本格的な稼働は4月1日からで、道内外へ出荷する。3月末までには食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の取得が見込まれ、取得後は中国、ベトナムへ出荷が可能になることから、東南アジア、シンガポールなどへの販路拡大にもつなげる考え。